アメリカ大統領選は、南北戦争の再現であった。-苫米地英人氏
苫米地英人氏は、ヒラリー・クリントンvsドナルド・トランプの次期アメリカ大統領は、南北戦争の再来と分析している。日本では南北戦争といわれているが、この戦争は、アメリカでは内戦といい、南部コンフェデレイトと北部ユニオン合衆国との戦いである。
黄色の州は、イエローステートといわれ、どっちに転ぶかわからない州という意味。
ブルーステートはユニオンで北部、「奴隷制を禁止した」州であり、イエローステートは、ユニオンであるにもかかわらず「奴隷制」がある州、レッドステート1は、合衆国から独立してコンフェデレイトを造って、ユニオンから独立しようとした。南北戦争で、コンフェデレイトはユニオンに負けた。
・地域と人口 南部:11州 人口 白人550万人・黒人350万人の900万。北部(境界州含む):23州 人口2200万人。
・産業 南部:奴隷制綿花プランテーションを中心とした農業地域。北部:商工業を中心に発展。
・政治体制 南部:連邦政府の権限を制限し、州の自治権を拡大する反連邦派に近い。北部:連邦政府の権限を拡大し統一を強める連邦派にちかい。
・貿易政策 南部:主産物の綿花の輸出を増やすため自由貿易を主張。北部:イギリス製工業製品と競争するため保護貿易を主張。
・黒人奴隷制 南部:綿花プランテーションを維持するためには奴隷制は必要と主張。北部:奴隷制拡大に反対し、労働力・購買力として期待。
適切な表現ではないかもしれないが、南部にしてみれば、黒人奴隷を商品として仕入れてきたわけで、多額の投資だったと思う。まるで、ブリーダーのように増やして売るということも考えていただろう。プランターにとって、黒人奴隷は資産だっただろう。それを、タダでとっていこうとしたのが北部ということなのではないだろうか?
北部は、「奴隷解放」という金看板を掲げてはいるが、黒人の安い労働力と消費がほしいというのが本音で、黒人奴隷がかわいそうだとか差別をなくそうなどという気持ちは、微塵もなかったと思う。ストウ夫人の「アンクルトムズケビン」という涙を誘う小説は、北部のプロパガンダ小説だと思う。
南部も北部もどっちもどっちだと思うが、黒人としては、解放するという北部の方へなびいてしまうのは仕方がないと思う。黒人は、北部について戦った。
南部での奴隷は、白人の主人に、家族で飼われているようなもので、家庭があり、プランテーションの一角に居住区があって、コミュニティがあり、独自の文化も形成された。ブルースやジャズなど。解放されて主人を失った奴隷は、生活が困窮することになる。
一方、北部の白人労働者は、黒人奴隷が解放されて、北部へ流れ込んでくると、安い労働力黒人に職を奪われてしまうという、TPPなどと同じような様相を呈している。
今回の大統領選は、この南北戦争のリベンジともいえる選挙だったようで、南北戦争から、150年の時を経て、南北戦争で負けたコンフェデレイトがユニオンに勝ったということを意味するんだそうだ。
なるほどなー。もしかしたら、日本だって、関ヶ原の戦いなどなど、戦いのしこりが、ある人たちの間では残っていたりするのかもしれないなどとも思った。
さて、トランプ氏は、誇り高きWASPで、人種差別主義者で、人種差別を根っこに持っているWASPに受けて、当選したとのことで、移民の子孫が多いニューヨークやカリフォルニアの人たちは、自分たちはどうなるのだろうと本当に恐れているとのこと。最初のメイフラワー号でアメリカへ最初に移民(イギリスで食い詰めた)してきた人たちは、誇り高いんだそうで、トランプ氏はそうした由緒正しい生まれではないかということだった。
ま、そういったアメリカ的事情があるということを頭に置きながら、トランプ氏の政策を眺めていきたいと思う。
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